開館1周年記念特別展 二つの頂 ―宋磁と清朝官窯―

10/7(土)~12/17(日)

静嘉堂@丸の内
東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F

陶芸技術の粋を極めた中国陶磁の歴史上、二つの頂点といえるのが宋代の陶磁器と清朝の官窯磁器。
本展では「静嘉堂@丸の内」開館一周年を記念し、岩﨑彌之助が明治期に蒐集した清朝官窯をはじめ、その嗣子・小彌太蒐集にかかる宋磁など80点以上を精選し紹介。

月曜休館(10/9開館、10/10休館)。
一般1,500円、大高生1,000円、中学生以下無料。

重要文化財「油滴天目」 建窯
南宋時代(12~13世紀)
静嘉堂文庫美術館蔵
茶葉の生産地にも近い福建省の建窯では、宋代に生まれ日本の茶の湯の源流となった喫茶法「点茶法」に適した黒釉の茶碗が作られた。なかでも黒釉に含まれる鉄分が焼成中に変化して出来る「曜変」や「油滴」は希少で珍重された。この油滴の見事な大碗は大阪・藤田家旧蔵で、古くから日本に伝わったものと思われる。
重要美術品「青花臙脂紅龍鳳文瓶 一対」
「大清乾隆年製」銘 景徳鎮官窯
清時代・乾隆年間(1736~95)
静嘉堂文庫美術館蔵
清朝官窯の陶芸技術が極致に達した乾隆年間の技術力を示す逸品。たなびく雲の中に五爪の龍が体をくねらせ、また別面に鳳凰が羽ばたくさまを表し、一対で龍鳳がそれぞれ向かい合うように描いている。酸化コバルトによる青花の雲は、金を使った高価なピンク色の上絵具・臙脂紅による龍鳳をあらかじめ避けて描いているが、仕上がりには寸分の狂いも見られない。
国宝「曜変天目(稲葉天目)」
南宋時代(12-13世紀)
静嘉堂文庫美術館蔵
中国・南宋時代(12~13世紀)に作られた黒釉茶碗の中で最上級の作品で、世界に3点しかない曜変天目(すべて日本にあり、国宝指定)の中で、斑紋が最もはっきりと現れた最高の品とされる。
静嘉堂文庫美術館
東京・丸の内にある美術館。国宝7件、重要文化財84件を含む、およそ20万冊の古典籍(漢籍12万冊・和書8万冊)と6,500件の東洋古美術品を収蔵。