ワンタン麺（醤油・細麺）950円
ライター“kotobuki” 編集部“A2C”のラーメンこの一杯 SLURP.30
いーじーぷれす 2023年2月号掲載
ついにコラム執筆が叶った超実力派店の良温さん。来訪の度に概ね僕が食べるのは、中華そばカテゴリーの一つ、ワンタン麺だ。肉っ気の強いワンタンが素晴らしく好み。スープや麺との調和を保ちながら、突出して立体的なテイストを生み出す。昨今トレンドな細バツ系とは異なる、中華そばの方向性を貫く極細麺が堪らない。麺自体が抜群に美味しい。
キレ味鋭いベースに加味する形で、貝出汁を始め多様な隠し味の奏でる芳醇スープが、前述の麺と巧みに絡み合う。具材群は全てが無くては成らぬキーパーソン。全体の根幹となるのは、昔ながらの万人が愛してきた中華そばに他ならない。現代流にブラッシュアップを重ねた令和版の最上級な中華そばが、良温さんのそれであると我々は確信を抱くのだ。
良温さんの強みはプロフェッショナルに徹した味づくりのみに非ず。気配り・真心・人情味に満ち満ちた店内の雰囲気はとっても優しく穏やかで、実に心地良い。良温さんを愛し訪れる利用者を要所要所で見つめるご店主・宮田さんの眼差しは、果てしなく温かい。
text:kotobuki
